2012/03/22

空想酔狂虚構


怠い日常。
無意識に感じる誰かとの差。
卑屈になっていくのは顕著で、笑えるほど堕ちていった。
だからといって譲ることの出来ないこの心臓だけを持て余して、今日もまた同類だと言い張る人間と共に居る。
傷の舐め合いなんて言えばまだ美しい体裁を保っているけれど、真には相手に無関心で、自らを守る為の足掻きの最中だなんて言えば、誰が共感してくれるのか。
所詮は完璧な駄目人間なのだから。




お前さ、死んだら何したい?
死んだら?好きな人に好きって言いたい。
そんなの今でもできるだろ。
死んだら言いたいんだよ。
あっそ。
うん。
何で?
告白したら多分死んじゃうから。
そっか。
うん。
じゃあ先に相手が死んだら?
死体に向かって言う。
あっそ。
うん。
じゃあ、わかった。
うん。
待ってるから。
うん。




彼が終わりたいと願っているのは知っていた。
だから後押し。
鶴の一声。
私達はとっくの昔に気づかされた陳腐な感情を、表に出すことが出来なくて、それでも言いたくて、言ってもらいたくて。
ハタから見ればくだらない極まりない筈なのに、諦められないからタチが悪い。
だからと彼が自らの頸に手を当てれば、私はついそれを制止してしまう。



こんなんじゃ
いつまでたっても
何も変わらないじゃないか!
俺が死ぬこともない!
お前が告白することもない!
生殺しだ!
俺は、俺は、俺は、









知ってるよ、だから何も言えないんだよ。
もうやめよう。
死のうとするのも、変わろうともがくのも。
どうせいつかは死んで塵に変わるだから。




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