2012/08/23

紙とペンの

今、こうしてペンを握ってあなたを待っています。ここに書かれているものだけがあなただから。それだけだから。以前の姿ではもう会えないのです。結構気に入っていたのに。これもまた生まれ変わりと言うのでしょうか。あなたとは、何なのでしょうか。体があって、意識があって、動き出すものがそれなのでしょうか。そうだとしたら、ここに居るあなたは誰なのでしょう。

今、私はあなたを感じています。あなたはここに居ます。それ。誰も否定することは出来ない。確かにここに居ました。だから大丈夫。もう平気です。また会いに来ます。紙とペンを用意してあなたを待っています。

2012/08/12

痣が、そう思った。
青、赤、紫、黄、茶、そのどれも目を惹くには充分で、ただその楽しみ方を考えあぐねていた。

ひとつは自らにそれを求めること。
ふたつめは誰かのそれを求めること。
みっつめはその写しを求めること。
よっつめはそれを与えること。
いつつめはそれを嬲ること。
むっつめはそれを嬲られること。

痣が、と夢にまで思うのに、自分がどれを選べば良いかわからない。今わかるのは視界に捉えただけで、自分を抑えることが出来なくなる程にそれを愛好しているということだけ。

ある人は転んだ証しとして、ある人はぶつけた証として、ある人は虐げられた証として、ある人は自戒として、何度も痛みを経験する。痛みを記憶し、触れることで再生する。そうして消えるその瞬間まで、じくじくと残る痣を、あれ程までに美しいものを、何故人は疎ましく思うのだろう。
そんなことをしても、和らぐ筈は無いのに。

美しく彩り、痛みを再生する。
痣が、こんなにも愛おしい。

帰省、その読み方

何時の間にか帰省していた私は、毎日同じ場所に通いながら生きています。この田舎で学校以外に唯一若者の集まるその場所は、自分自身が責任ある人間なのだと実感させてくれます。それがどうしようもなく辛くって、それと同じだけ本を読むことにしました。本当は映画も観たいのだけれど、観たい映画は見つからない。図書館がとても居心地良いです。

こっちに来て少しして、バイト先から連絡があったのだけれど電話口の人が「きしょう、きしょう」って言うからなんだろうって。きしょう、きしょう、きしょう。別にいいかなって其の侭にして父親の作るご飯を食べました。

僕は今日も元気です。