2011/12/25

Merry Christmas.


私は自分が人に求めすぎていることを知っている。
モノではない。
お金でもない。
ただ気持ちが欲しい。
極端な感情しか愛せない私は中庸で半端な愛情はいらない。
「愛している」
「必要だ」
そう言われないと不安で仕方がない。
そしてその不安の穴はぽっかりと空いたまま今日もまた誰かを傷つけた。
あなたに愛されたいとはっきり言うことが怖いように、
あなたもわたしを愛しているということを恐れている。
強いて言ってもらった言葉の虚しさ。
馬鹿らしいことを知っているのに何度も繰り返して傷を増やす。
どうしてこんなに器用にできないのか。
どうして想いやれないのか。
このまま想いの通じぬまま死んでしまう予感に涙が止まらない。







私が私のわがままを言うだけの関係は嫌だ。
早く帰ってきて欲しいだの、早く会いたいだのの言葉がなければ必要とされてないとしかかんがえられない。
私の性格は1か0なんだよ。
好きか嫌いか。
必要か必要じゃないか。
それだけなんだよ。
何も言わないことは嫌いと同じなの。
苦手なんて知らない。
何も言えないようにしか思えない。
そういう消極的な姿が嫌い。




2011/12/21

強引に



強引に押し付けた薄い皮膚はエナメル質の白く並んだもので傷つけられて、そこは裂けて、赤く不味いものが流れ出た。

じくじくとそこが痛む。

加害者は今さっき部屋を出ていった。

普通ならその腕を取るなり、後を追うなり、背中を見詰めるなりなんでも出来た筈だ。

けれど僕は口に広がった鉄の味をじっくり確かめることしか出来なかった。

羞恥と嫌悪と後悔を隠すにはそれが一番似合う方法だった。




2011/12/15

写真の思い出




彼女はいつも私を見つけると名前を呼んでこちらに駆けてくる。
私はそれを当り前だと思っていた。



高校も三年目に入り、いよいよ勉強しか許されない状況に追い込まれた頃私は彼女に出会った。
今までも見たことがなかった訳じゃない。
でも気にかけることがなかった。
ただそれだけのこと。
気づけば私の前が彼女の席で、気づけば話すようになって、
学校に行けば毎日会えるし、彼女は私にきらきらと笑いかけてくれた。
そんな生活に可もなく不可もなくと私は自分勝手な思い込みを与えた。
幸せなどと思うには他に知らな過ぎて、今考えても幼い自分が醜い。
お互い学校以外で会うこともなければ、況して遊ぶこともない。
メールをしないこともないが、生活に触れるようなこともない内容で清々しい思いさえした。
何時だろうか、彼女が私と写真を撮りたいと言った。
あの日は卒業式だった。


そうして私達は卒業した。
彼女に毎日会えなくなった。
笑顔を見ることも、声を聞くこともなくなった。
連絡を取ろうと思えば取れたのに今まで一度もそうしていない。
それなのに、今こうして彼女と撮った最初で最後の写真を見て私は涙している。
怖かった。
連絡をして、彼女に会って、新しい生活に馴染んでいる姿を目にするのが。
あの時のあの時間が総て虚無になってしまうことが怖かった。




携帯のフォルダの中で微笑む彼女がこんなにも愛おしいなんてこと知りたくなかった。