2011/09/17

In Heaven







僕は愚かだった。
自分のことに一生懸命になるあまりに、愛する君のことを気にかけることが出来なかった。
こんなにも愛しているのに、君はいなくなった。












君は冷たい台の上に横たわったまま動くこともなく、僕の遅刻にいつものように文句を言うこともなく、ただ横たわっていたけど、顔だけは生きてるみたいにとても綺麗で、やっぱりまだ生きてるんじゃないかって思っては、その冷たさにハッとした。
どれだけ強く握っても、しなやかさを失った君の手は、僕に残酷な現実を伝えた。












君の葬儀に集まった人たちは、皆一様に君への惜別の思いを述べ涙を流したけど、誰一人として、何故君がいなくなったのか、と問う人はいなかった。
ただ一人僕は静かになった部屋で君と二人きり、あの日のことを思い出す。
君がいなくなったあの日のことを。












あの日、君から電話がかかった。
気づいていたのに僕はそれを無視した。
喧嘩していたわけでも、君の声が聞きたくなかったわけでもなく、なんとなく出ることを躊躇い、電話が切れた数秒後君はこの世からいなくなった。




「帰ってきてください。そして僕を叱ってください。」



















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