2011/07/30

Suffering

初めはその違和感に吐き気がした。
全身で抵抗しても貴方の力には敵わなくて、抵抗しても逃れられなくて、最後はただ疲れ切っていた。
でもふと哀しそうな顔を見た時、僕の中に甘美な気持ちが生まれた。
そのうちに僕は声を殺して君の視線を隠した。
苦しいなら本当の気持ちに気づかなくちゃいけない。
でもどうか気づかないで。
僕も気づかないように総てを隠し、2人だけの世界を作るよ。
苦しみは伝染していく。
貴方の哀しい顔が僕の喜びにつながる。




総てが終わった部屋には安心も心地良さもない。
ただ残る貴方の苦悩。
ただ残る僕の苦悩。
愛しいという気持ちの愚かさには反吐が出る。
早く消えてなくなって感覚だけの生き物に変えてくれ。
そう頭に浮かんだけれどまた気づかないふりをした。
僕も苦しみ続けなくちゃいけない。
貴方と一緒に苦しむことが僕の唯一の悦びなんだ。

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