2011/07/03

「私あなたがピアスしている横顔が好きなの。」
君は僕の横でふとそう言った。


ピアス


僕が女の人を好きなのには特別な理由があるわけではない。ただ出会えたからその出会いを全部のがさないでおきたいだけ。そして自分がこのキャラクターで苦しむことも分かってる。だからってどうしろっていうの。
「鍵はどこにあるのかな。」
このジレンマから脱け出す鍵。永遠に見つかりそうにない鍵。
"トゥルルル...."
よく覚えてない女性からの電話。多分モデルかなんかだった。急に呼び出されて初めて2人きりで会うと、なぜかお互い無言になった。君は僕を呼んだ理由を言わないし、僕も聞かない。でも2人とも理由を知っていた。お互いを求めずにはいられなかった。僕はこれが鍵だと確信した。
「きっとあなたは苦しみを紛らわせたいのよ。そして心の中の暗闇を見られたくないから優しくするの。」
僕の総てを見抜くような言葉。ますます君から離れられなくなる。あまりに一緒にいすぎて互いの癖がよくわかる。君は僕の右側で寝る。僕はピアスを付けたまま寝る。それは君がそう望んだから。

それは突然だった。君は僕を残してどこかに行った。パリに行ったとか死んだとかっていう噂も聞いた。とにかく君はいなくなった。鍵がなくなり扉は固く閉ざされたまま。それでも僕は生活している。

「どうして僕がピアスをしなくなったかって?なんだかピアスを見ていると僕自身も痛く感じちゃうようになったんですよ。」

僕のピアスの痛みはなかなか消えない。

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