2012/03/10

Oculophilia


薄く、青白く、柔らかい。
それが何処だか知ってる?
そう、瞼。
瞼の皮膚。
押すと眼球の感触を直に感じることができる。
でも、やっぱりだめ。
眼球は舌で味わうの。
三白眼の目頭から薄くて、青白くて、柔らかい瞼をこじ開ける。
舌の先が侵入すればなんのことはない。
まずは上側をなぞる。
恐怖の涙が長い睫毛を濡らしているから、少しだけ塩気が増している。
自らの上を通って行くような舌先が視界に入るから震えているのね。
身体全体を侵食されていく感覚でしょう?
でも、これからが大切なの。
目尻を越えて、下側を行く。
今度はなぞるのではなくて、抉るように差し入れる。
眼球は飛び出したりなんかしない。
ただ物凄い圧迫感があって、状況を想像しては吐き気がする筈。
瞼を私の手で固定してしまっているから少しだけ乾いてしまうの。
送ってあげるわ、私の唾液を。
潤いが満ちる。
汚いなんて言わないで。
潰されるよりまだマシでしょう?
あら、これは涙かしら。
それとも私の唾液?
あぁ、どちらもね、きっと。
感じる、熱を。
感じてる?
もう一度ぐるっと一周。
動かないで、お願いだから。
でもお願いだから、泣いて。
涙を舐めたいのよ。
彼方が流す唯一綺麗な体液を身体に取り込みたいの。
泣いてよ。
じゃないと鬱血する太腿の間のものが更に酷くなる。
泣いてよ、痛いからじゃなく、懇願して泣いてよ。
やめてくださいって、言いながら、彼方の一番汚い体液を身体に取り込まされた私の為に、泣いてよ。


wanna kiss baby

自分の家とは違うゆったりとした空気の流れる部屋。それが愛しい人の住まう場所なら尚更心地よく感じてしまう。優しいムスクの香り、あの人の体温のような室温、柔らかい音楽。外がまだ凍えるような風を吹かせているのを知って居るから此処に居たいのではない。

「キスして下さい。」

こうして会って、他愛無い話をして、くすぐったい程の愛の言葉を聞いていられるのも一瞬だから、貴方のキスで私とこの夜をとめてほしい。初めてこの手に入れた優しい恋を、貴方の注ぐ愛を、全部掬い取るように。

急な言葉に躊躇したのも束の間、貴方は踏み出して、髪を撫で、顎をゆるく掴んでキスを落とす。見えない恋心や愛情は不確かだけど、こうしてそれを確かめ合う瞬間が何よりも愛おしい。

不安になるのはお互い様なのに、会えないことがもっと助長する。貴方は誰にでも優しいひとだから私だってそんなこと解ってるけど、その手に触れるのも、背中に爪痕を残すのも、綺麗な肌を白で汚すのも私だけであって欲しい。でも、本当は嫌だけど、そんな私が貴方の障害になるなら手離すこともできる。それが私の愛の感情。だから、言ってよ。さよならは貴方が言ってよ。

「何を考えてるの?」

「なんでもないです、くだらないことですよ。」

黙っていても見透かされる私の心。身体は此処にあるのにふんわり浮かぶ意識。私は蝶で夏の空を漂う。でもあの時はただ浮かんでいるだけで、自分になんの価値もなかった。あの人が見つけてくれるまでは、名付けて愛してくれるまでは。あの大きな手に捕らえられて、自由がなくなったんじゃない。一層生きることができるようになった。そうして夏のような貴方が本当の私のそばに居る。

「守ってくれますか?」

貴方は何も尋ねない。ただ強く私を抱きしめた。私の目からは涙が零れた。蝶の命は短いんです。だから放さないで。この恋をゆっくり編んで、抱き合って編んで、戸惑いだって恋の一部だから、不安も私には大切で、見詰めあいながら触れる熱でこの恋を編んでいく。

欲しいものなどなにもない。貴方以外なにも要らない。ごめんなさい、貴方を困らせて。でも眉毛を下げて苦笑いするのは、全部を否定したいということじゃないって、知ってる。

私と何処までも行けると信じていますか?私達は最後の時まで笑顔で居られるのですか?私は不安なんです。それだけが不安なんです。こうやってこの優しい恋に溺れて、苦しいままなんて嫌だから。貴方にそんな顔させたくないから、放したら楽なのかな、なんて。考えただけでも悲しい。

「いやだ、」

「ん?」

「消えないで、下さい。」

また、そっと零れた涙が長い指に掬われる。温かい体温と、柔らかい言葉が染みていく。そばに居て、そっとね、消えないで。

キスではなにも分からないなんて嘘。伝わる想いが溢れ出す。好きだから、愛しているから。貴方が私を守ってくれる。そうしてまた意識が浮かぶ。私は蝶で夏の空を漂っている。すると風が強く吹き抜けて、私を攫おうとした。でも、夏の貴方が私を見つけてくれたから、ほらこうやってそばに居る。

「愛してます。」

そういうと貴方はゆっくり微笑んだ。

BGM:Chara/Kiss

2012/03/07

Lonely Lovely Family

Patrick, Alex and Luna are family.

******************************

3:00am

Patrick heard a sound that someone coming into our house.
He noticed that sound because he has been waiting someone.
"Good night" a man's low voice said.
"Yeah" a girl's voice said.
So he woke up and went to the room in front of his room.
There is Alex who is Patrick's brother in the room.
Alex is someone that he wanted to see even if he endure sleepiness.
Patrick opened a door slowly and invaded Alex's room.
Alex was about to sleep.

"Hey, where were you going with Luna?"
"Outside"

As always Alex replied curtly but Patrick didn't care that thing.

"What were you doing with Luna?"

Then Alex smile to sneer Patrick.

"You should ask Luna the truth when you sleep with her. She might say because she is good girl not like me."

He is nasty.
I haven't felt gentleness from he.
But we can't move back.
Patrick thought.

Patrick hugged Alex and said while burying the tip of nose in the neck.

"This smell of the rose doesn't match you."
"The smell of soap is strong used in such a hotel."
" You are honesty like her."

If you say such a stupid word, I must notice the truth, Patrick thought.
Alex is ticklish, he caught a chin of Patrick and kissed.
But it's not tender like kiss.
So Patrick twisted his body and show strange face.

"You taste like strawberry. Are you a child?"
"Not me, she is a little girl."
"Then, how about us?"
"What do you wanna be?"

In that way the drowsiness of the early morning disappeared calmly.

2012/03/05

誠実な浮気

兄さん、兄さん、
【一人称A】ね、兄さんが怖いんだ
恐くて近寄りたくない
ねぇ兄さん、怖いんだよ
その冷たい視線とか、誰にも興味を持たない雰囲気とか、人に厳しく自分に甘い性格とか、全部恐い
世の中には怖い=嫌いという人もいるよね
もそうなのかな
声をかけようとするといつも心臓が壊れるんじゃないかってくらい震えるし、目を見ることも出来ない
やっぱり嫌いなのかな
ねぇ兄さん、兄さんはどうなの
【一人称A】のこと嫌いなの
口も聞きたくない?
顔も合わせたくない?
同じ空気を吸いたくない?
【一人称A】は、そうじゃない
【一人称A】は兄さんと話がしたいし、毎日会いたいし、同じ世界に生きてて良かったって思うよ
ねぇ兄さん、【一人称A】は兄さんが嫌いなのかな

「で、なに?」
「兄さん、愛してる」

先程から【加害者A】は【加害者B】に馬乗りになり、角度を何度も変えながら掻き回すようなキスを続ける
【加害者B】はそれに応えない
ただ余りにも近くに居過ぎる男の香水の匂いが染み付いた【加害者A】を見詰める
お前は誰だ
匂いも失くし、言葉も失くし、入れ物だけの人形
考えは、感情は、それは本物?

「今日、【被害者】は?」
「さっき会って来た」

開いた脚の付け根からは、直前に吐き出されたであろう液体が流れ出る
白いシーツと白い脚と白い液体
白が汚いと【加害者B】は思った

汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い汚い

脳内ゲシュタルト崩壊
汚い世界と美しい自分
なんて素敵な構図
だから、
開いた円に突き立てた
そのまま一心不乱に揺さぶった
それは自分の為、自分と汚い世界の為
そこが少しでも浄化すれば良いと
白が綺麗な世界が訪れれば良いと
ただ願って止まない

「ナニイッテルノ?兄さんだって立派にキタナインダヨ」

【加害者A】が言ったのかもしれない
そうじゃないかもしれない
それでも【加害者B】は目の前で身を痙攣させる男を殴った
数回、体重をかけて
あゝ、愛おしい
こんな風に自分を汚して、そうでもしなくちゃ狂気が保てない自分達に
それでも何も通じ合えない自分達に
この世で見たこともないような最下級の愛を
こびり付いて離れない毒のような愛を
そして笑うことを諦めた自分達に
空虚な笑顔を
そうして、言う

「戻れよ、あいつのところに」
「......」
「あいつは気づいてる、それでも許してる」
「嫌だよ、嫌だ、戻らない、兄さんが」
「【一人称B】はお前なんか要らない」
「それでも」
「あいつにはお前が必要だよ」
「【一人称A】にもあいつは必要だよ」
「浮気は楽しかった?」
「全然」
「【一人称B】は楽しかった」
「でも嘘じゃない」
「だから、許すよ」
「きっとまた来る」
「そしたらまた、浮気しよっか」
「嫌だよ」

どちらが何を言っているのか途中で分からなくなるほど混乱した脳内の回線は繋ぎ合わせてもショートを続けた
ぱちぱち、ばちばち音を立てる
そして溶けてどろどろになって消える
だから終わった
今日が終わって総て終わった
そんな世界も結構綺麗かもしれないと思った


.

2012/02/28

私の世界が意味のないことと夢のないことで溢れていた頃



傷つけれられることもなく
非難されることもなく
ぬくぬくと生きていた。
こうして周りを意味で埋め尽くされた世界で
私はどうしたらいいか分からないし
私にとって最良のものが一つずつ落ちていく
感触が今もこの体から抜けない。
人付き合いってなんだろう。
総てが終わってまぁいいやと思えるほど
私は人を愛せていない。


かくいう時に思うこと



目出度くハタチを迎えることが出来ました。
楽しく祝っていただいた友人たちには感謝です。
またTwitterなどさまざまなメディアを通してお言葉をいただけたことは、こうしてブログやSNSをやっていなければ無かったことなので感慨深い。
ハタチ初めの話題は自らの私生活で正直こっぱずかしいことばかり話していましたが、特に隠したいことではないのでいいです。
そんなこんなでこの年の目標的なものを決めてみました。

①面倒くさがらない
始める前から面倒を理由に諦めたり、会える人に会わなかったりするのは勿体ない。
少しでも私に興味を持ってくれるのであれば、それに応えたい。
私簡単に人を受け入れたり、好きになったりは出来ないので必然的に世界は狭くなります。
それが仕方ないなら、好いてくれる人を好きになりたい。
それでいいのかなと思えるようになりました。

②「頑張る」と言わない
頑張ると言ってみたところで殆ど何も変わらない。
大事なのはその後の行動と、結果です。
とかいいつつハタチになって2時間ほどで結構使ったことを謝罪し、反省した後検討します。

③誰かに頼る
負けず嫌いも、大人びているのも、自立しているのも美徳と言えばそうなのかもしれないけど、結局はただの頑固。
「頼りたい」と口で言いながらもなにも変えられなかったのは今までのこと。
総てを投げ出したいくらい落ちている時は誰かに頼ります。
「お願い」と言える人になります。


完璧な人間など目指さない。
でも一緒に居て居心地のいい人間になりたい。
まとめればそれが今年の目標です。

2012/02/26

ぬるさ

僕らの関係は少しだけ湿った服みたいだった。
それに袖を通すと初めは嫌な感じなんだけど、そのうち自分の体温で温まって何も感じなくなる。
濡れているのは変わらないのに、感覚が奪われたみたいに何も感じることが出来なくなる。
それが僕らの関係だった。

「退屈だったんだ」

そんなこと知ってる。
今更言葉にして、音にするなんて一番滑稽だ。
やっと彼方を違和感なく受け入れられる様になったのに。
それを水の泡にしてしまう言葉。
僕を残していかないという僅かな希望は彼方の消失によって打ち砕かれた。
それなら僕にわからない様に、気づかない様に静寂以上に無音な終わりが良かった。

「ぼくだってそうだったのに」

退屈だったのに。
彼方だけが伝えることを許されるなんて。
ぬるくなったコーヒーはもう喉を通らない。
だからぬるくなった関係だってもう成立しない。